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俺の世界から見える外の景色は、その窓から見える空だけ。
Lv1のレイの部屋だって、窓の大きさだけは変わらない。
あ、レイと言えば…。
夜に部屋に来いとか言ってたっけ。
だが、俺達の就業時間は大抵9:00-18:00まで。
晩飯が18:00-19:30の間支給されている。
晩飯にも顔を出さなかったし、この2時間何をしていたと言おうか。
普段帰りが遅くなる時にはあいつの部屋には行かないし、言い訳を考える必要も無かった。
晩飯で会うと必ず、部屋に招かれるのだけれど。
やはり、こんな寝室の俺に同情している所があるのだろうか。
俺は捲りあげていた繋ぎの袖を下ろすと、手首の生々しい痣を隠した。
あいつには、こんな汚い世界は知られたくない。
あいつの緑色の瞳には、俺のような穢れた光は写したくない。
部屋を出てLv1の部屋へと向かう。
Lv1のフロアには、看守が立っている門の様なものを通らなくてはならない。
「レイの…、ああ、いやNo1030の部屋に」
「…通れ」
看守は手に持つ機械で何かを確認すると、クイッと俺を中に入るよう顎で指した。
真っ白な空間に足を踏み入れ、1030の札の着いた部屋を目指す。
何回来ても、この空間には慣れない。
「よ!ジン。お疲れ」
あちらから扉が開かれ、レイが顔を覗かせた。
「おう。お疲れ」
部屋へと招き入れられ、俺は部屋の中にあるイスに腰を下ろした。
テーブルを挟んだ向こう側にレイもまた腰を下ろす。
広いとは言えないものの、テーブルとイスがあり、寝る時以外は壁に仕舞われたベッドがある。
レイの部屋は、俺の部屋の何倍も綺麗な真っ白の部屋だ。
「てかお前、なんで晩飯来なかったの?」
「あー。なんか仕事長引いちまって」
「は?時間厳守のこの塔でんな事あんのかよ」
レイが壁に着いた何種類かのボタンで何らかの操作をすると、2つのお茶がテーブルの下から出てくる。
きっとレイにとってはこれが常識なんだろうな、と思いながらそのお茶に視線を落とした。
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