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――――母さんっ!!!!
――どうして…どうしてあんたは、俺を産んだ――!!
―俺は、産まれる事なんか望んじゃいなかったのに――
―― 私は から あなたを きよ。――
ハッと大きく目を見開き、初めて自分が眠っていた事に気づいた。
はぁはぁ。と荒い息のなか、固いベッドの上に起き上がる。
滝のように流れる汗を、二の腕で拭い、ビショビショになったTシャツを、パタパタと動かした。
―――また、あの夢か。
前髪を適当にピンで止め、洗面台の前に、立ち上がる。
ジャーーッと流れる水を見つめ、俺は物思いに耽った。
――きっとあれは、母親との記憶なのだろう――
自分でも覚えていない、母親の……
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