No.001

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  この灰色の繋ぎが、ここの監獄の唯一の服。 部屋から出る時は、必ず、この服で出なければならない。 適当に作られた繋ぎは、それぞれの体に合っていない事も多々ある。 俺は、ズリズリと繋ぎの裾を引きずりながら、再び洗面台へと向かった。 ムカつくほどに、金色に輝く髪を、水で適当に整える。 その時、真っ赤な自分の瞳が見えて、俺は慌てて目を逸らした。 ――――あの目が― ―ああ。あれが―――― ――――随分と汚いわね― 良く投げかけられる言葉が、俺の頭の中で児玉する。 どうして… そんなの、俺のせいじゃないのに…… 「………そろそろ、行くか」 ボソリと1人で呟き、俺は、部屋のドアノブに手を掛けた。  
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