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この監獄は、警備によほとの自信があるらしく、俺たちがいる、6階のフロア……
それから、食堂や風呂がある5階のフロア、自分の仕事をする3、4階のフロアでは、基本自由だ。
看守たちは口癖のように、この塔の警備は世界一。って繰り返してる。
ドアを開けると、外は風が強いのか、ビュオッと風が俺に吹き付ける。
小さな小さな窓から風が入ってきているようだ。
耳にある赤色のタグが揺れ、パタパタと音を立てた。
俺は、そんな事にも腹を立てながら、足を食堂へと向ける。
「おっはよーっ!ジンっ!!」
ガバッと後ろから抱きつかれて、俺はまたか。と小さく溜め息を吐いた。
「…はよ。」
「お前、今日も冷てぇなぁー。…ったく」
短く返事を返す俺に、この男、レイは、少ししょんぼりしたような表情をしてくる。
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