29人が本棚に入れています
本棚に追加
/208ページ
俺と同じ、金色の髪……
それは、ワケア民族の証。
俺とは違う、緑色のタグを耳につけているレイが、少しだけ羨ましい。
タグの色は、目の色によって、決まっている。
そしてタグの色によって、俺達の格も、決まるのだ。
「朝っぱらからお前が元気すぎるだけだろ。」
「ひっでーな。ジン」
レイはクスクス笑いながら、俺に言い返してくる。
俺とは正反対、LV.1の、レイ。
中性的な顔立ちをしていて、細身。
一瞬見ただけだとまるで女にも見えるような容姿だ。
食堂は、ガヤガヤと賑わっている。
なぜ、こんな監獄に入れられていて、こんなに元気にいられるのだろう。
そんな事を考えながら、俺はレイと共に、フロントへと続く長い長い列の最後尾に並んだ。
‡‡‡‡‡‡
「あの、一緒に食べて良いですかー?」
俺とレイとで、質素な食事を口へ運んでいると、髪の長い女が、急に話しかけて来た。
最初のコメントを投稿しよう!