新月

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今宵は新月 夜の帳がおり 静寂が辺りを包む その中に 凛と響く三味線の旋律 その旋律に乗って紡がれる 哀愁漂う、歌声 シャン…シャン… 冷たい空気を揺らしながら 歌う影 それを囲む、男達は その美しい歌声など、もはや耳に届くはずもなかった 銀色の髪が夜風に揺れる 歌声が遠ざかった後に残されていたのは 骸(ムクロ)の山―…
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