それから

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その一件から梓とは昔ながらの文通で連絡を取り合って(もちろん本当の郵便にすっと止められると思ったから秘密の場所に隠したりして)、出来るだけ梓の負担にならないようにした。 そんな文通で梓が陸上を始めたことを知って俺も陸上を始めた。 実際、走ることがあんまり好きじゃなかった俺は高跳びへと意識を変えていった。 「っはは、」 勿論手紙では陸上を始めたのだと相手に伝えたら返ってきた手紙には喜びがこれでもかと詰まっていた。それを見て俺も頑張ろうなんて、我ながら単純だとは思う。 でもそんなエールの送り合いの手紙が溜まっていって、大会の時にもそっと忍ばせていた。 「…これ、」 ある日、街に部活の仲間と部活の買い物しに行ったときにスポーツ用品店で見つけたタオルは、梓の髪の色のタオル。それと、隣には俺の好きな藍色のタオル。1つずつ手にとって買う。 「洋太が使うには可愛い過ぎるぜその色…」 なんてチームメイトに言われても完全に無視して。 そして手紙と共に梓の髪の色のタオルを贈った。梓の色だったから買ってしまったとか書いて。 勿論色違いの紺色のタオルは俺が使った。勝手にお揃いにしたけれど繋がりがあることが嬉しいのが事実だったから。 勿論、お揃いだと言うことは秘密にしていたけれど。 .
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