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色んな女子からの告白を断り続けてる俺に疑問を抱き続けてる俺に疑問を抱いていた有原は納得したように頷いていた。
「はっはーん、洋太の本命はあの子だなぁ?あの髪の色とかあのタオルの色だもんなぁ?」
「…アイツ男だぞ。」
「まったまたー、あんなかわいい子が男なわけないじゃーん?」
そんな風に茶化す有原に知らず知らずに怒りを覚える。有原は女子が放っておかないような整った顔をしている。部活に支障がない程度に遊び呆けているというようなプレイボーイで有名で、そんな目で梓を捉えているのがわかったから。
怒っている俺にはまったく気付かずにその瞳は梓をとらえて離さない。
「洋太がそんな風に言うなら、俺があの子貰っちゃおうかな~。あんなかわいい見た目なら男でもいいかも、俺」
「おい、」
「それにあの細い腰。華奢な体。あんな体なら俺だったら簡単に…」
「おい、有原!」
気付けば俺は有原の胸倉を掴んでいた。
有原は目を丸くする。まさかここで俺が怒るとは思っていなかったというように。
「そんな色目で梓を見るんじゃねぇ…」
自分でも驚くほどの低い声。幸い周りに人はいなかった。見つかったら出場停止ものだろう。
だけど、そんな中であの色が俺の視界をよぎる。何故、今…ここに?
さっき別れたじゃないか、
「洋太っ!何して…!」
「…っ」
「とりあえず離せってば!見つかったら…っ」
梓の手が俺の手に触れて俺の手からは自然に力が抜けた。
けど、このままここにいたら殴ってしまいそうで、有原からも、梓からも逃げた。
ミーティングが終わった後で本当に良かったって思った。
自分を自分で抑える自信がどこかへ行ってしまったから。
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