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段々と冷えてくる身体、やっぱり早かったなぁなんて思ってれば嬉しそうに笑う男女。でも会えた時の喜びがまたいいのかな。なんて少し考えた。
ほうっと小さく吐き出す息は白くて。ふるりと震える身体。
そう言えば洋太と梓はどうしているのだろう。クリスマスだから、愉しい夜を過ごしているといいな、なんてついつい思った。
施設にいる頃は小さい子が増えてきてサンタ役とかもやったなーなんて思い出す。
そうそう、潤のトナカイ役はぶっきらぼうで子供を怖がらせてたっけ。けどあの姿も可愛かったよなぁなんて施設の頃を思い出すと楽しい思い出が沢山思い出される。
大きなケーキを食べてプレゼント貰って、2人で出かけてそれぞれクリスマスプレゼントを買ったりして。沢山笑って、それから…
それ、から…?
「っはっくしゅん!」
自分も想像していなかったくしゃみ。鼻をすすれば首元に暖かい物が巻かれた。
「何でこのクソ寒いのにマフラー巻いてないんだよ。」
「潤!」
「つーか早すぎ。まだ五分前だぞ。」
なんて俺の冷えた頬に手を当てた。その冷たさには少し眉間に皺を寄せている潤には小さく謝った。
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