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夜のイルミネーションを2人で眺める。なんだか普通の恋人みたいで気恥しくなって、頬を掻くと潤が笑う。
そして俺の頭を軽く叩いた。何照れてんだよ、なんて。バレてるそれには口を尖らせる。
「で?」
「え?」
「待ち合わせしてみて、どうだったの?」
「…待ってる間、寂しかったけど、待ち合わせも悪くない」
なんて答えたら目を丸くする潤。けれどその表情は少し照れくさそうに目を逸らしていた。
首をかしげてみたら、「俺は」と小さな声が聞こえて。
「たまになら、良いけど、毎回は嫌だ。」
寂しいから、と可愛らしい言葉。まばたきを何回かしてから相手の肩に手を回した。
「潤、帰ろ」
「は?でも、来たばっか…」
「無理、その無自覚の可愛さ耐えられない。」
寧ろこんな可愛い己の恋人、誰にも見せたくないと思った。プレゼントだって、イルミネーションだって、ホントは見たかったりやりたかったりしたことたくさんあるけど。そんなのはまた今度。
「じゅーん?」
「ん、何」
コロコロ予定を代える俺には少し不満そうにしていた潤の耳元に唇を寄せた。
囁いたら潤に殴られたのは言うまでもないけど。言いたくて我慢できなかったから。
―愛してる
fin
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