クリスマス2011(洋太×梓編)

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「大体、何故貴方があの人の子を身篭ったの?正妻は私ですのに。」 「正妻のあなたよりも愛されていたからじゃありませんの?」 「そもそも、そこの子が居なければ洋太が跡継ぎには変わりなかったのよ!?」 そんな俺の母親の言葉と指さすそれにびくりと身を震わせる梓。 今までは流せてきた言葉には腹が立つ。金を掛けて着飾った母親を見る。口答えなんて普段はしない。 面倒だし、何を言ってもこの人は聞かない。けれど、長年の怒りもそろそろ限界だ。 「母上、お言葉ですがあんな子扱いはいい加減に止めたら如何ですか?彼は俺と同じ跡継ぎ候補です。父上もその言い方を聞いたら悲しむのでは?」 「なんですって…?洋太、私を蔑むの?」 「安藤様もです、売り言葉に買い言葉、まるで子供の喧嘩だ。」 「な…!」 二人の顔が怒りからか、また図星だからか赤く染まっていく。それを見て梓はオロオロしながら俺を見た。俺は梓の手を取って二人の母親を見た。 「今までは黙って聞いてたけどな、テメェらの都合で俺達を道具のように扱うんじゃねぇよ。」 「洋太!その口の効き方はなんなの!?」 「黙れよババァ。そんなに後継者をテメェの息子にしたかったらな、今この時間を使ってテメェの恋人を口説いたらどうだ」 俺の言葉にハッとしたのか、二人の女達は俺達なんか忘れて走っていってしまったのを見て俺は舌打ちした。 .
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