544回目の人生

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「理雨(りう)!早く起きなさい、学校遅刻するわよ!」 カーテンを通り越してくる日差しと、今の母の声で、リウは今だに重い瞼を持ち上げた 「早く下に降りてきなさいよー」 「…たくっ、分かってるってば」 ぶつぶつ文句を零しながら、俺は着替えを済まして、2階から下へと降りていく 「今日はあんたの誕生日よ? つい最近までまだまだ子供だと思っていたら、もう14歳なのよねぇ」 「当たり前。年取らなかったら怖いだろ…」 しみじみと話す母に、俺は容赦無く突っ込んだ こんないつもの朝に、俺はは無意識に小さな幸せを感じた 「でも今日寝坊したからな…そんなゆっくりと食べる暇は…」 そう呟きながら目を落とした腕時計は、短い針は7を、長い針は10をさしていた 7時50分…学校が始まるのは8時10分か…… …ってオイ! あと20分しか無いじゃんか!? 「やばっ、遅刻!い、行ってきまーすっ」 オレは大急ぎで家を出て、全速力でいつもの駅まで走って行った
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