544回目の人生

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「ぎっ、りぎりセーフっ!」 キーンコーンカーンコーン 俺がそう叫んだのと、学校のチャイムが鳴ったのはほぼ、いや…同時だった 「おっせーよ理雨!」 「早く来いよーっ」 「遅刻じゃねーのか?」 「てか誕生日に遅刻とか馬鹿だろっ」 口々に皆が俺のことを笑いながらはやし立てる 「うるせっ!ギリギリセーフだ、遅刻じゃねーよっ!」 悪友達にはとりあえず怒鳴り声で返す。 スタスタと他のクラスメート達の間を横切っていつもより早めに席に着いた 「起立ーっ、礼ー」 教師が来て、退屈な授業が始まった 退屈なことは寝てしまうのに限る、そう思って俺は早くも幸せな浮遊感と共に、眠りについた …この後、自身に降りかかる運命など予測出来ずに。
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