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道の真ん中で泣いているから
通行人が
“邪魔だ”
というような目で俺を見てくる
時には
わざとなのか、
そうでないのか、分からないが
俺を蹴っていく人もいた
でも、そんなの気にならなかった
邪魔になろうが迷惑だろうが
どうでもよかった
とにかく泣きたかった
ところが、俺の肩を
トンッと、優しく叩く人がいた
俺は
顔をグシャグシャにして
泣いているのにも
かかわらず
反射的に顔をあげてしまった
“しまった”っと思ったが
もう遅い…
一瞬、涙で視界がぼやけたが
そこに立っていたのは
おっさんだった。
おっさんは
泣いている俺を見て
少し驚いた顔をした
「どうしたんだい…?
どこか痛いのかねぇ?」
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