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バッティングセンターを出て、近くの公園のベンチで休憩を取ることにした。
寒いせいか、誰も居ない。俺達二人だけだ。
「お疲れ」
幼馴染みに温かいコーヒーを手渡す。
「ありがとう…」
「どういたしまして。少しは、気が晴々できたんじゃないのか?」
幼馴染みは、えぇと言いながら缶を強く握り俯く。
「凄く、発散できたわ。彼の事思って振ったら、いつも以上当たって気持ちが良かった」
俯いた顔を上げ笑うがどこかぎこちない。
「そうか…?俺、お前が笑った顔好きだから…無理しなくて良いからな」
俺は、幼馴染みを抱き締めた。
「わ、私…彼の事、好きだったの。悔しかった。寂しかった。私は…彼が好きだったのに…全てが嘘だったって」
震えている幼馴染みにかける言葉がなかった。胸がギュッと締め付けられ、涙が出そうになった。
「お前には、友達や家族が居る。それに…俺だって傍に居る」
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