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麻友の身長は165㎝位で体型は普通、モノトーンのシャツやスカートをよく着ていて、スタイルがいいせいかそれがまたよく似合っていた。
打ち合わせをしている時も、編集についてわからないところがあると、泰輔に素直に聞いてきたり、カメラの使い方や撮影方法に興味があるのか、折に触れよく質問していた。
泰輔にとって麻友は理想に近い女性で、気になる存在になってはいても、得意先でもあるので、プライベートな感情は表面に出ないよう控えめに接触していた。
麻友とは月に三、四回、打ち合わせや同行取材で一緒に仕事をする機会はあるものの、泰輔に対してはビジネス以外の関心はあまりないような感じだったため、自分の想いを伝えるいいきっかけはないものかと模索しているばかりだった。
泰輔は、独立してから半年たった二年前に、それまで二年半付き合っていた彼女の由実と別れていた。
松崎の下にいた時は、由実と順調に交際を続けていて、独立した後、仕事がうまく行くようであれば結婚をしたいとも考えていた。
独立し始めの頃は、松崎からある程度仕事をまわしてもらって、それを大きなミスもなく収めてはいたが、自分自身で次の仕事が取れるかというとなかなか思うように先々の予定が埋まっていかなかった。それに、自分で売上額と材料の仕入れ費や外注費、車両費などの経費を計算していると、思った以上に厳しい数字でこのまま一人でやっていけるのかと不安ばかりが押し寄せくる毎日になっていた。
精神的に気弱になると、由実との付き合いにも影響が出てきて、彼女のことよりも仕事を優先することにもなり、仕事がうまくいかなかった日は由実に八つ当たりしてしまうこともたびたびあった。
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