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でも、美紗子は、恋愛より仕事を最優先に考えていて、結婚もしたくないし、子供もいらいないと言うタイプで、泰輔とは、レストランやホテルで会って、一人身の寂しさを紛らわすためだけの付き合いになっていた。
美紗子は、泰輔以外にもそういった関係の男性がいるようで、お互いの私生活はあまり深く干渉しないようにし、そして、どちらかに本命の相手ができれば、スッキリと別れるという話をしていた。
泰輔には、将来を約束する本当の彼女になって欲しいと思っている女性候補が何人かいるのだが、まだ、食事を一度して、次のアポがなかなかとれない人もいれば、今度、一緒の仕事になった時に、探りを入れてみようと思っている人もいた。
一度、婚期を逃してしまうと、なかなか一生をともにしたいと思える女性にはめぐり合えないものだと、最近つくづく思うようになっていた。
その日の撮影は、夜八時頃に終了し、泰輔と優輝は、ワンボックス車に機材などを積み込み、車をその駐車場に置いたまま、近くの店へ夕飯を食べに行った。
夕食時に二人で瓶ビール一本を飲み、食後にそこでもう少し飲もうかと優輝に言ったが、今夜は、予定があるから先に帰らせて欲しいと言ってきた。
優輝は、以前取材に行ったフレンチレストランの女性スタッフ、愛子と付き合い始めていて、この後、その彼女と会うことになっているとのことだった。
泰輔は店を出て、優輝と別れると、一駅先にあるキャバクラ・シャンディに行くことにし、ブラブラと夜の街を歩きはじめた。
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