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泰輔は、ラムとは、今まで同伴出勤を二度していて、一度、閉店まで飲んだあと店外で食事をしたことがあったが、それ以上の関係はまだなかった。
若くて、可愛いラムのことを抱きしめたいと思うものの、無理にでもカラダの関係を迫る気持ちはまだなく、楽しくお話しながらお酒を飲めることで満足な気持ちになれていた。
「ラムちゃんは、学生時代になんかクラブとか入ってた?」
「わたし、中学の時からバスケットボールをしてたんだけど、高校一年の秋、練習中に膝を痛めてしまって、それからは何もしなくなった。学校終わると、たまに、友達と街に行って、ドーナツとかアイスを食べながらおしゃべりしたくらい。こう見えていい子にしてた方だよ……ミカちゃんは何かしてたの?」
「高校の頃は走り幅跳びとか短距離とかの陸上クラブに入って、毎日結構練習してた。でも地区大会とか出てもいつも下位の方だったから、二年の夏前に辞めてしまって、あとは、不良になりきれないグループのみんなで少しだけおふざけみたいなことしてた」
「おふざけって、バイクとかに乗って走りまわったりすること?」
「そこまではしないけど、男女十二、三人で夜の繁華街に行って、ゲームセンターに入ったり、コンビニの前で話したりするだけ。本当の不良連中がくると、すぐに解散してばらばらになって逃げてた」
「ふーん。私も似たような集まりに入ってたけど、父が怒ると怖い人だったから夜八時前には家に戻ってた。泰輔ちゃんは?」
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