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「俺は、スポーツがあまり得意じゃなかったから、やっぱり写真をよく撮ってたな。クラブっていうのはなかったけど、写真撮影が趣味の先生がいて、その先生と写真好きの生徒七、八人でたまに近くの川や山に撮影しに行ってた」
「その頃からカメラマンになろうと思ってたの?」
「まだ、決めてはいなかったけどあこがれはあったから、高校三年になった時には、写真関係の学校に進もうと思っていた」
「へー。ラムは、高校生の頃、将来のことなんかまだ何も決めてなかった気がする。通学の電車の中でよくOLさん見てて、わたしも会社勤めができればいいかなと思ってたくらい。あと、たまにお友達の家に行って、ファッション雑誌みたり、お化粧の仕方を練習したりしてた」
「彼とかはいたの?」
「二年の夏前から同級生の男の子と学校の帰りにバーガー屋さんに寄ってお話ししたり、夜、メール交換したり、休みの日に街に出てブラブラしてたくらい。でも、半年程で彼が受験勉強するからって会わなくなった」
「ミカは、グループの中の一つ上の先輩と付き合ってて、三か月過ぎた頃、二人で家出してみようかって、太坂行の真幹線に乗ったんだけど、通りかかった車掌さんに質問されているうちに面倒になって次の駅で構浜に戻る電車に乗って帰ってきた」
「ハハハハ、おもしろいね。俺は、写真仲間の一人が一つ下の女の子で、学校帰り、途中まで電車に一緒に乗って、その間によく話をしていた。二人で初めて映画を見にいった時、見ている途中から彼女の手に、自分の手を重ねようとしたら、もう一方の手でパチンてたたかれた」
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