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ところ変わって電車の中
すごい速さでメールを打つ赤ずきんちゃんに忍び寄る陰。
「かーのじょっ!」
携帯の画面から顔を上げると髪をつんつんにたてている男の子がいました。
「今、ヒマー?俺、ちょーヒマなんだよね。あ、俺オオカミって言うんだ。好きなように呼んでくれていいよ。」
聞いてもいないのに1人でしゃべり続けるオオカミに若干引きながらも赤ずきんちゃんは話を聞いていました。赤ずきんちゃんのタイプだったのかもしれません。
「…んでさ、今から時間あったら俺とどっか行かね?」
赤ずきんちゃんが頷こうとしたときおばあちゃんのことを思い出しました。『あ"~おばあちゃんとこ行かないと。1500円もらったし、行かないで後で金返せって言われるのは嫌だし…。それに、上手くいけばおばあちゃんからお小遣い貰えるかもしれないし…。』
「ごめんなさいっ!おばあちゃんの家にお使い頼まれるの。」
「…そっかおばあちゃんの家ってどこなの?」
実はオオカミのストライクゾーンはかなり広く、熟女も好きだそうです。『よし、先にばあさんを落として、それからこの子を…』
オオカミがそんなことを考えているとも知らず赤ずきんちゃんは『まさか…一緒についてきてくれるのかしら?…そんなにも私のことを…』なんて思っていました。赤ずきんちゃんの頭の中はずいぶん平和ですね。
「えっとね…次の駅で降りて、たしか~商店街の靴下屋さんの隣だった気がする。あ!おばあちゃんの家、モ○バーガー屋さんなんだ」
そう、おばあちゃんがマ○ドナルドチキンタツタが食べたかったのはライバル店の味を知るため!…ではなく、単にモ○に飽きたからでした。
「…そっか!お使い頑張れよ。あ、そうそう次の駅で降りるんならケーキバイキングしてけば?今、駅前のケーキ屋で1500円で60分間食べ放題キャンペーンやってたよ。」
目的の駅に着くまで、また聞いてもいないことをしゃべり通しさっさと電車を降りて走っていってしまいました。
赤ずきんちゃんはというと一緒におばあちゃんの家に行けるのだろうと考えていたのだからポカーン。見事に口まで開いていました。
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