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「れい子ちゃん、お昼行かない?」
よう子ちゃんは白い財布を抱えるように持っている。
私はなにも言えないまま、呆然とよう子ちゃんを見つめる。
よう子ちゃんはそんな私を、不思議そうに見ている。
「そのコピーが終わったら行こう?」
「……うん…」
思わず頷いてしまって後悔する。
コピーの原稿を取り出しながら、私は言い訳を考える。
「午前中にやりたいことが結構残ってるんだよね」
「そっか…」
よう子ちゃんは腕時計を覗く。
「待ってるよ」
「いや、いいよ?時間かかるよ?きっと暇だよ?」
「うん」
よう子ちゃんはまた微笑っている。
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