二章 入隊試験

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「さあ、ここだよ入って。」 「はーい!」 僕は遠慮無く襖を開けた。 「失礼しまぁす。」 うわ、睨まれた。好感度悪いな。 僕と千鶴ちゃんが座ると、 しわ寄せの人(風太命名)が、 喋り始めた。 「お前ら、昨日何を見た?」 単刀直入かい。 「昨日…あぁ[羅刹]の事?」 「「「!?」」」 空気が変わった。 「何でお前が知っている。」 「何でって…それは、知り合いにその[まがい物]を作っている人がいるから。」 「まがい物だと…? それに…その知り合いとは誰だ?」 「二つ一遍に言われても…。 まがい物って言うのは、僕がそう呼んでいるだけ。 で、知り合いっていうのは、 あんた達が捜してる[綱道さん]の事だよ。」 と、そこで千鶴ちゃんが言った。 「その人…雪村綱道って人?」 「うん、そうだけど。」 「父様が…!?」 「おい、どういう事だ。 お前は綱道さんの何だ。」 「私は雪村千鶴といいます。 雪村綱道は私の父です。」 「…そうだったんだ。」 「ねえ、父様の事何か知っているの?」 「知ってる…けど、それを言っていいの?」 「どういう事だ。」 何で怒るかなぁ…短気め…。
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