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「松田いずみ」
返事もしない俺に自分の名前を名乗り、足音は遠ざかっていく。
「あなたと、また会えるような気がするんです」
「…俺はそう思わない」
[松田いずみ]が居なくなってから、俺はそう答える。
『また会えるような気がする』
なのに、そう言った[松田いずみ]の言葉がやけに、耳に残っている。
ピピ…ッ
考えていることを掻き消すように携帯のアラームが鳴った。
俺は誰も居ない自分の家を目指して、足を走らせる。
家に帰る前にコンビニにでも寄っていこう。
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