第一歩:好き

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勉強が嫌い。 真面目に勉強なんかやる同級生を見ると、吐き気がする。 そんな俺…上原由紀が選んだ高校は、ここら辺じゃ一番の進学校『北高』だった。 なんで選んだのか、そう聞かれた。 正直、そう決めた時の成績は中の下くらいだったから、余計に。 あの時の俺は純粋に、好きな人と同じ高校に入りたかっただけだったんだ。 同じ中学だった二つ上の先輩で、黒髪ストレートの『綺麗』って言葉が誰よりも似合う人。 がむしゃらに勉強して、その人に近づこうとした。 どんなに無理でも、試してみたかった。 だから、入学出来た時は声が枯れるほど喜んだ。 .
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