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明かりのついた街灯に、蛾や小さな虫達が集まり、電球にぶつかり合い、バチバチと音をたてながら落ちていく。
夏の風物詩にしてもいいくらい見飽きた光景だ。
「…暑」
日も落ちたと言うのに、生暖かい風を感じながら、俺は茶髪に黒髪が混ざった前髪を上げる。
ジャラジャラ…と、ジーパンについた鉄の飾りがぶつかり合う。
もうすぐで、俺の特等席に着く。
都会でも空が綺麗に見える、俺の居場所に。
そう思った矢先、腕がくすぐったいと感じた。
バチン…ッ!!
思っきりそこを叩いてみると、蚊がとまっていたらしい。
暑くても、Tシャツの上に一枚来てくればよかったと、少し後悔した。
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