僕は猫がいいんです

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ダイチャン視点 吾輩は猫である、名前はまだない。← いつもと同じように、バイトのサナダがご飯を俺達に与えにやってきた。 「よーしよし、すぐにあげるからねー!」 ガラガラときゃっとふーどが皿に盛られる。お腹すいてたんだよ! まーったくサナダはボケッとしてるから遅いんだよ! ガツガツときゃっとふーどを食べているとフジガヤクンがやってきた。 「真田、一番端のアメショー出して」 「…決まっちゃったんですか」 「仕方ないよ、年だからな」 決まったって飼い主か?こーんなつまらない所に居るよりずっと楽しい筈なのにサナダは浮かない顔をしてる。なんで? 『ねえっねえっ!何が決まったんだっ?』 サナダの傍で眠る看板犬のハッシーに叫んだ。 目を覚ましてワンッと鳴くとサナダはハッシーを撫でた。 『ねえ、何が決まったのー!』 『さつしょぶんだよ』 『さつしょぶん?』 『殺されちゃうんだって。人気がないままずーっとここにいて、年を取ると殺されちゃうってしすてむができてるみたい』 『え、なんで!?』 俺がにゃあにゃあ騒いで居ると、サナダが喋りだした。 「…人間の都合で簡単に殺すなんて」 「仕方ないだろ、あんなに狭い所にずっと居たら足腰も弱くなって飼い主も世話が大変になる。それに老いていて、後が短いから値を下げても売れ残ってるんだぞ。」 「そんな人間の利益のために…」 「仕方ないよ、ここにいる犬も猫も商品だ。そういう運命なんだよ」 りえき…つごう…しょうひん ここにこのまま居たら、おれも殺されるの? 俺はこんなつまらない所に閉じ込められて終わるの? がりがりケースを掻くとハッシーが鳴いた。 『諦めなよ、君がそこから出られるのは買われる時か殺される時だよ』 言い終えるとハッシーはまた眠りについた。 出られるのは買われる時か殺される時…
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