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『赤ん坊を降ろせ』
こんなメールが来たのは、あたしが買い物に行った帰りのことだった。夕ご飯の買い物に来ていた時に、突如メールの受信の着信が鳴り響き、受信したメールを見て見ると、まったく知らないアドレスからの、メールを受信していた。
正直、最初このメールを見たときは、ただの悪戯だと思った。むしろ最近多い迷惑メールの類だと。誰だってそう思うだろう。しかし、あたしはこのメールの内容が悪戯や迷惑メールではないことを、すぐに知ることになる。
あたしには、家族がいない。あたしの両親は早くに亡くなったし、夫は半年前に他界。夫の両親とは仲良くなかったので一人身だ。でもそんなあたしにもようやく家族が出来る。あたしのお腹には妊娠して半年目に突入した、赤ちゃんがいる。亡くなった夫が残した、あたしと夫の子。少しお腹が膨れているのがとても嬉しい。
――あたしのお腹の中にいるのは、あたしの大事な大事な赤ちゃん。
そんな晴れやかな気分で買い物に向かった帰りだった。このメールが突然携帯に送られてきたのは。あたしは悪戯だと思ったので、気味が悪いと思いながらも、そのメールをすぐに消して、携帯を閉じようとした。するとまた携帯がメールの受信をはじめた。メールは、またさっきと同じアドレスからだった。ただ少し内容に変化があった。
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