脅迫メール

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「やぁ、どうだい? お腹の状況は?」 「あ、順調だと思います」 「うん、顔を見ると幸せそうだよ」 「え? あ、ありがとうございます」  少し頬を赤く染め、テレ笑いをしながら答える。そんな恥ずかしいことを急に言われるとは思わなかった。ただ、少し嬉しかった。あたしは今、他の人から見ても幸せそうなんだ、と。 「それじゃあ、そこに横になってくれるかな? 音波検査をしてみよう」  そう言われあたしはベッドに横になった。  「ホラ! 見てみて半年の君の赤ちゃんだ」  先生に言われて、画面を見ると確かになにかが映っていた。これが赤ちゃんなのか。半年ということでかなり人の形を成してきてる、不思議な感覚ではあったが、実感はあった。あたしのお腹には、今一つの命が確かに息づいているのだ。これほど感動的なことはない。  検査が終わり、あたしは帰宅した。そしていつものように一人でご飯を食べ、お風呂に入り、布団に入って静かに寝静まった。一人暮らしは、気楽でいい。確かに寂しさはあるけど、あたしには赤ちゃんがいる。あたしは毎日寝る前にお腹を摩り、赤ちゃんに話しかけることが、日課となっていた。
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