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「位置について、よーい…ドン!!」
ザザザザザ…
「頑張ってぇー!!」
スターターの声と共に足音と黄色い歓声が校庭に響く。
放課後、陸上部の練習は今日も熱い。
その中でも一際大きな黄色を浴びているのは短距離選手の浅間榛馬[アサマハルマ]だ。
「ゴォール!!ど!?どうだった?オレのタイム!!」
100mを走り終え、榛馬は親友兼マネージャーの城山群義[キヤマグンキ]に近づく。
「12秒39…。0.1秒遅くなってる。」
「えっ!?うっそぉ!?」
榛馬と群義のツーショットに、より歓声は上がる。
榛馬は天真爛漫、如何にも人気者の性格だ。顔は、イケメンというより可愛い。
群義はクールでサバサバしているが、顔は申し分なくカッコいい。
そんな二人が一緒にいるのだ、女の子達のテンションは最高潮だ。
「次は長距離計るぞー。位置につけー。」
「このストップウォッチ壊れてない?」
「ほら、榛馬は後輩指導!!」
「はーい…」
「やっぱりカッコいいよねー群義くん」
「えー榛馬くんの方が可愛いよ」
「繭はどっち派?」
「えっ!?わ、私はどっちでも…」
「えー」
いきなり話を振られ、泉繭[イズミマユ]は困惑気味。
はっきり言って、二人に興味はない。
ただ、友達に連れて来られただけだ。
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