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「え?何で?」
「オレの家、来週の町内会の夏祭りの実行委員になっちゃって、両親仕事で帰り遅いからさ、オレが会議出ないといけないんだ。」
「へぇー大変だな。分かつた、皆に言っとく。」
「宜しく」
榛馬が去った後、群義が教室に目を戻すと不満そうな女の子達がいた
「えー、群義くん実行委員なの?」
「一緒に夏祭り行けないじゃん…」
「はいはい、残念だったなぁ。」
群義は相変わらずの愛想のなさで、手をひらひらさせながら席に着いた。
ー放課後、今日も校庭に陸上部の声が響く
「今日はマネージャーいないけど、気を抜かずしっかりやるように。私はこれから職員会議でしばらく抜けるが、怪我のないようにな。」
「はい!!」
顧問の挨拶の後、部員達はそれぞれの練習に入る
榛馬も準備体操を終え、短距離の練習に入ろうとしたとき
「榛馬先輩」
後輩に呼び止められた
「ハードル見せて下さい」
「でもオレ、短距離専門だぜ?」
「他の先輩方が、榛馬先輩が一番上手いから見せてもらえって仰ってます」
「ま、まぁそこまで言われたら仕方ないなぁ」
おだてられ、いい気になった榛馬は後輩が用意したハードルの前に立った
「お前らは口で教えるより、直接見た方が覚えるだろ?」
「はい!!口で言われても何が何だかさっぱり♪」
「それじゃ走るから、よく見とけよ」
そう言って勢いよくスタートを切る
榛馬のハードルは速いばかりでなく、フォームも綺麗で後輩やいつものお取り巻きから歓声が上がった
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