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続いて声をかけてきたのは忍の専属執事だった。
「秀彰さま。夏とはいえ、濡れたままでは体調を崩してしまわれます。コテージにてお風呂に浸かって頂きますよう」
言って、執事の田中はタオルを秀彰に渡し、またどこかへ行ってしまった。
それを見ていると、忍が照れたような顔をして近付いてくる。
「ごめんね秀彰くん。田中さんは悪い人じゃないんだ。分かってあげてくれないかな?」
執事を最後まで目で追ったから勘違いされたのだろう。
「それは大丈夫だって。ただ慣れてないだけだ」
執事が見えなくなったところで、目で追うのをやめる。
「そうだよね。ぼくも最初は慣れるまでに時間がかかったけど、今ではこれが当たり前なんだなって」
「この金持ちが!!」
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