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「分かった。待ってろ今穴見つけるから。おい輝、おまえロープを持ってきてくれ。それと、途中で他のやつらにあったらオレがここにいるってこと伝えてくれ」
「分かった」
すると、二つしていた足音の片方が遠ざかっていくのを聞いた。
足音が聞こえるくらいだ、そう遠くにいないだろう。
「巧、聞こえてるか!?」
「聞こえてるよ! でも姿は見えねぇ」
もうすぐ助けられるという安堵からか、巧の狼狽した声を聞いたのは久しぶりだと、そう思う余裕すら出てきた。
「おまえの足音が聞こえるからそう遠くじゃないはずだ」
「おい、なんかでかい穴が地面に空いてるけど、そこか!?」
どうやら見つかったみたいだ。
また安堵の息を吐く。荒くなった鼓動を確かめながら、息を吸い、
「そうだ、その下にいる」
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