第17章

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. 「じゃあ、見に行くか?」 「え?」 「海岸の方に行ったら、もっと綺麗に見えるだろ?」 「うん……。」 ユキ兄ちゃんの優しい笑顔と言葉に、私も自然と笑顔が零れた。 ホテルから直接ビーチに続く細い道を、手を繋ぎながら歩く。 こんなところ誰かに見られたら大変だなんて思いながら、それでも傍にいられることが嬉しくて。 ずっとこのまま、一緒にいられたらいいのにって思ってしまう。 「そういえば、どうやって部屋から抜け出してきたの?」 ユキ兄ちゃんの素朴な質問に、頭の中で言葉を選んだ。 「あ……えっと、実は……星来も部屋にいなくて。」 「え? 何してんの、あいつ。」 「奏と会っているはず……です。」 確かに、先生という立場からすれば、それは無視できない事実だ。 だから私は正直に全てを話した。 ユキ兄ちゃんなら、分かってくれると信じていたから。 「一応、夜は外出禁止のはずだけど……。」 「ごめんなさい……。」 .
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