序章

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深々と。 雪は降り積もる。 音も無く、静かに。 形も無く、曖昧に。 優しい灯火に包まれた街並みを、白く……ただ白く、染め上げていく。 幸せそうな表情を浮かべる人たちを祝福するかのように、雪はただ、ましろの世界に降り積もっていった。 広がるは純白色の世界。 聖なる夜に相応しい景色。 今日という日を迎えられた事に。 今日という日が訪れた事に。 言葉にして、最上級の祝福と感謝を送ろう。 ――メリークリスマス。
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