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俺は夢でも見ているのだろうか、それとも霊感に目覚めたのだろうか。
「京助、なんでお前…」
「なんでって?どうしたよ、そんな怖い顔して、もしかして五月ちゃんのことまだ怒ってんの?」
そんな…間違いなく、こいつは京助だ。誰が化けて出たわけでも無く、正真正銘の京助なのだ。
じゃなかったら、五月ちゃんのことを知るわけが無い。
まだ俺達が小学生だった頃、クラスメートに五月ちゃんという女の子がいた。
五月ちゃんはクラスではあまり目立たなく、男子からの支持も高くは無いのだが、俺と京助は2人して彼女に惚れてしまい、ケンカもした。
やがて2人は協定を結んだ。
五月ちゃんと2人だけで会う時は互いに連絡すること
それはさながら、三国干渉のようなものだった。当時はもちろんそんな言葉は知らない。小学生にしては頭の良い恋愛の仕方である。
しかし、ある日京助はその協定を破ったのだ。
2人で京助の家に遊びに行くのをたまたま見てしまった。
それから数日、俺は2人で一斉に告白することを提案した。
結果は惨敗。俺達は最後、笑っていた。
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