プロローグ

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化粧を洗面所で洗い流し、ベットに放心したまま横たわって居ると、着信を知らせる音楽が鳴り響く。 …出たくない。 しかもこの曲は…あいつからだから。 しかし、切れてはまた鳴り響く携帯。これが三回繰り返され、さすがにもう出るしかなかった。 「…はい」 寝起きを装い電話に出ると、『はぁあ』と溜め息が聞こえた。 「どうしたの?」 『どうしたの?じゃねーよ。馬鹿』 馬鹿って…だけど安心したような言い方だ。 …きっといつも直ぐに電話に出る俺が、出なかったから心配してたんだろう。 『ぶっ倒れてるかと思った。今日は特に暑いし…要暑いの苦手だからさ。』 ククッと電話の向こうで笑っている。 ほらな…思った通りだ。こいつは、興味無い奴には冷たいくせに、俺には凄く甘いし、優しい。 .
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