第六章

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「さようなら」 俺の大好きな人。 静かに扉を閉め、自分の部屋に戻ると纏めておいた荷物を手に取る。 家族を起こさないよう静かに家を出る。置き手紙を残して。 駅に着くと、乗る電車が来るまで30分近くある。一息つくためにジュースを自販機で買い椅子に座りため息をつく。 …本当濃い2日だった。 尚吾からの告白に直哉に告白。 展開が急すぎるよ。 …特に尚吾には キ、キ、キスされたし!思い返すだけで恥ずかしい。 いや、俺も直哉にデコチューしたんだけどさ。…今更恥ずかしくなる。 どうしよう…寮もクラスも同じだから顔合わせないなんて無理だし。 まぁ、後3日は実家で過ごすだろうから大丈夫だろうけど。 考え込んで居ると、アナウンスが流れ慌ててホームに出る。 『要…行っちまうのかよ』 バッと振り返るが声の人物は居ない。幻聴…か。そりゃそうか。 此処に来るはず無い。自嘲気味に笑い電車に乗り込む。 、
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