第六章

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「ただいま~」 寮に着く頃にはクタクタで、早くベッドに横になることばかり考えてた。 …取り敢えず横になって明日からの事考えよう。 カチャッと居室に続く扉を開けると『よっ!』と片手を上げベッドに腰掛けている尚吾が居た。 「はっ!?え…何で!?」 心臓止まるかと思ったぞ。何とか出た言葉がコレだ。 しどろもどろになる俺に、ククッとのどを鳴らし笑う尚吾。 「…何か今日要帰って来そうだったし。俺も帰ってきたんだ。」 本格的にこいつはエスパーかと思ってしまう。ていうか 何で分かったんだよ。 「…何で?」 「感だな。…まぁ、それに」 ベッドから腰を上げると、ゆっくり俺に近づいてくる。 一歩下がるが意味をなさず、簡単に捕まりギュッと抱きしめられる。 「…会いたかったし」 昨日会ったばっかじゃん。 恥ずかしいことをサラッと口にする尚吾のスネを軽く蹴る。 『アイタっ』と痛がる振りをするが、抱きしめる腕は緩めない。 …気まずく思わない訳じゃ無いけど、尚吾の温もりにホッとしてるのも事実だ。矛盾してるな。 「…なにも聞かないのか?」 ピクッと腕が反応し、離れたと思ったら頬を包まれる。 「話したい?だったら聞くよ。無理には聞き出さない」 何でもお見通し。と言わんばかりにニッコリと笑う尚吾。 、
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