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それから季節は
秋がきて冬がきて春と巡り俺達は三年生になった。
あの後母親や姉と連絡がきて、少し騒がしくなったが俺の意志が強いと分かったのか、何も言われなくなった。
…直哉ともその後一切連絡を取ってない。またシカトする日々。
今は部活も引退して、毎日勉強バイトに追われる日々を過ごしている。
「なぁ要ココ教えてくんろ」
シャーペンで頭を掻きながら問題集と睨めっこする尚吾。
特別変化はあまりないが今こうやって、変わらずに過ごせているのは、尚吾のおかげだと思う。
「ここはさ、こうやって解くんだよ」
隣に腰を下ろし教えていると、隣から視線を感じ顔を向けるとジッと俺を見ていた。
…変化はやっぱあった。
たまに、抱き締められたり…キスされるようになった。
「…要」
こうやって、甘い声で抱き締められると拒否出来ないんだ。
「勉強しないのか?志望校B判定だったろ?」
頭を撫でながら言うと『うっ…それを言われたら』と言いながら胸を押さえ離れていく。
…もう10月だ。尚吾も部活を引退して勉強を頑張っているが、思うように成績が上がらずにいた。
「あ~ぁ。要はA判定だもんな。頭良すぎだろ!」
机に俯せになる尚吾の頭を、苦笑いを浮かべて撫でる。
「無理して俺に合わせなくても良いのに。…熊本だよ?知り合いなんて居ないだろ?」
「良いんだよ。俺がそうしたいだけ」
そう。俺は母親に頼み込み父方の婆ちゃんの居る九州熊本にある、K大に行こうと思っている。
それを尚吾に伝えると『俺も!熊本に行く!』と言い始めた。
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