プロローグ

11/16

1455人が本棚に入れています
本棚に追加
/202ページ
「…あぁ。だけど平気だよ。ありがとう。 直哉」 「当たり前だろ。俺達幼馴染みで親友なんだから」 …昔は、この言葉にも我慢は出来た。寧ろもうそれ以上は望まないつもりだった。 「…あぁ。そうだな」 ギュッと目を閉じて、また溢れだしそうな涙を、止めようと試みるが、スーッと火照った頬を伝い涙が流れていく。 ごめんな…直哉。 もう俺はお前と仲良くするフリをするのは、無理かも知れない。 「もう直ぐお前の家に着くから。何か食いたい物とかあるか?」 「ん…特に無いよ。大丈夫。ありがとな」 「…要?どうした。もしかして泣いてんの?」 鋭い奴。だけど、これがきっとお前と過ごす最後の夏になるだろう。 だから…せめて最後くらい楽しみたい。 「フッ、何言ってんの?泣いてなんて無いし。早く来いよ」 「あ、あぁ。分かった。じゃあ着いたら連絡すっから。」 「りょーかい」 .
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1455人が本棚に入れています
本棚に追加