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「…あぁ。だけど平気だよ。ありがとう。
直哉」
「当たり前だろ。俺達幼馴染みで親友なんだから」
…昔は、この言葉にも我慢は出来た。寧ろもうそれ以上は望まないつもりだった。
「…あぁ。そうだな」
ギュッと目を閉じて、また溢れだしそうな涙を、止めようと試みるが、スーッと火照った頬を伝い涙が流れていく。
ごめんな…直哉。
もう俺はお前と仲良くするフリをするのは、無理かも知れない。
「もう直ぐお前の家に着くから。何か食いたい物とかあるか?」
「ん…特に無いよ。大丈夫。ありがとな」
「…要?どうした。もしかして泣いてんの?」
鋭い奴。だけど、これがきっとお前と過ごす最後の夏になるだろう。
だから…せめて最後くらい楽しみたい。
「フッ、何言ってんの?泣いてなんて無いし。早く来いよ」
「あ、あぁ。分かった。じゃあ着いたら連絡すっから。」
「りょーかい」
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