第七章

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付き合う女なんかよりも、要の方を優先して振られた事も多々あった。 そしてそのたび、複雑そうに笑って 『見る目無いよな。良い奴なのにね』ってグシャグシャっと撫でられるのが好きだった。 女に振られてショックを受けたことなんて一度も無いが、撫でて欲しくて振られて居たところもあったかもしれない。 まぁ、それが要を傷付けているなんて知らずにだけど。 俺の一番の理解者で、家族よりも過ごす時間も多くて、側に居て笑い合うのが当たり前だった。 でも…何時からだろう。関係は徐々に変化していった。 中学に上がり、俺はバスケ部で要はサッカー部。部活は違ったが終わった後は一緒に帰っていた。 そんなある日、たまたまサッカー部は休みになり俺は部活。 でも『教室で待ってるよ』と言ってくれたから、部活が終わり要の待つ教室に迎えに行くと 『…要君!私、ずっと要君の事が好きだったの。』 夕日の差し込む誰も居ない教室で、見知らぬ女子に告白されていた。 震える声、真っ赤に染まっている顔を俯かせている。 『…ごめんね。君の気持ちには答えられない。』 、
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