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要-side-
勉強も追い込みに差し掛かった12月。突然姉貴からの一本の電話。
『要!大変なの!直ぐ帰ってきて』
「は?何?どうしたの?」
『いいから!直ぐよ!』
そう言ってブチッと切られる電話。無機質な電子音だけが響く。
な、何なんだ?あんなに焦っている姉貴の声は初めてだ。
「要?どうした?顔色悪いぞ」
心配そうに顔を覗き込んでくる尚吾に今の内容を伝えると
「直ぐに準備しろ。」
「…尚吾?」
「大丈夫だ。そんな顔するな」
情けない顔をしていたのだろうか。
強く抱きしめられる。尚吾の心音を聞き少しずつ落ち着いていく。
回していた腕を離し『もう大丈夫』と伝える。
「取り敢えず行くよ。」
「あぁ。1人で大丈夫??」
本当は心細いが…
家の事だ。尚吾に迷惑をかけるわけにはいかない。
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