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数時間後。
二年振りに地元に戻ってきた。
家までの道のりを尚吾と歩くが、キョロキョロとまるで不審者のように、街並みをみている。
「落ち着け。不審者」
「誰が不審者っ!?」
…何処からどうみても不審者にしかみえないよな。うん。
「…何考えてるか分かるぞおい。違うっての!ただ…此処で要は育ったんだなぁって思ったんだよ。」
そう言う尚吾の視線の先には、あの日直哉と立ち寄った公園。夏とは違う白銀の世界が広がっている。
そこで、雪だるまを作る子供達。
…ジッと眺めていると
「要もよく遊んだのか?あの公園で」
「ん?…そうだな」
毎日のように来てた気がする。
春夏秋冬遊び方は変わり、飽きなかった記憶がある。
「……直哉君と?」
その問いかけに横を見れば、少しふてくされて居る尚吾。
そんな顔するくらいなら聞かなきゃ良いのにな。
「ほら。もう行くぞ」
そう笑って手を引けば「誤魔化された!?いや、でも…」と悩み始める姿にまた笑みが零れる。
…このまま、何も起きずに済んだらいいな。
と願いながら家までの道を歩いていく。
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