第八章

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要-side 俺を抱きしめる腕が少し震えている。 …きっと見抜かれていた。隣の家、直哉の事を気にしているのが。 俺を好きだと言う声が余りにも切なくて。 首もとに顔を埋めて顔は見えなが、きっと歪めているだろう。 こんなに想われて、伝えられる気持ちに答えてあげたい。 だけど、思いとは裏腹に俺の心には直哉しか居なくて。 腕を回し、ポンポンとリズム良く背中を叩く。 「尚吾…少し外に行かないか?」 気分転換にアノ夏祭りで、尚吾に気持ちを伝えられた場所に。 そして、曖昧にしていた自分の気持ちを伝えよう。 例え、それで尚吾に見離されたとしても。 「あぁ。…分かった」 なぁ…直哉。 一体どうしたら俺は正解だ? お前を忘れたい。でも忘れたくない 思って居るだけで良いなんて、そんなのは嘘っぱちだ。 人間は何て面倒な生き物なんだろう。 、
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