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要-side
俺を抱きしめる腕が少し震えている。
…きっと見抜かれていた。隣の家、直哉の事を気にしているのが。
俺を好きだと言う声が余りにも切なくて。
首もとに顔を埋めて顔は見えなが、きっと歪めているだろう。
こんなに想われて、伝えられる気持ちに答えてあげたい。
だけど、思いとは裏腹に俺の心には直哉しか居なくて。
腕を回し、ポンポンとリズム良く背中を叩く。
「尚吾…少し外に行かないか?」
気分転換にアノ夏祭りで、尚吾に気持ちを伝えられた場所に。
そして、曖昧にしていた自分の気持ちを伝えよう。
例え、それで尚吾に見離されたとしても。
「あぁ。…分かった」
なぁ…直哉。
一体どうしたら俺は正解だ?
お前を忘れたい。でも忘れたくない
思って居るだけで良いなんて、そんなのは嘘っぱちだ。
人間は何て面倒な生き物なんだろう。
、
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