第八章

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その場を離れ尚吾と家に戻る。 涙は止まったが、何だか頭が上手く働かない。フワフワと何処か浮いているような…現実味が無いそんな感覚。 姉貴は少し会社に呼び出された様で家に居なかった。 「…要?」 心配そうに覗き込む尚吾。 自室に入るなり扉に寄りかかり座り込んだから、相当心配しているようだ。 どうしてこんな事になるんだ。 本当色々とタイミングが悪い。 「…うん。大丈夫だよ?ごめんな」 フゥッと軽く息を吐き、体育座りして組んでいる腕の間に顔を埋める。 そして、あることに気付き心臓がドクンと嫌な音を立てる。 嘘だろ… アノ二人の絡みをみて反応してしまっている自身の物。 何で…反応してるんだ。 気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い こんな事誰にも知られたくない。尚吾に気付かれたら…絶対引かれる。 「要…?おい、大丈夫かっ!?」 異変に気付き、顔を無理矢理上げられきっと青ざめているであろう、顔を見て眉を寄せる。 「ッッ!離せ、俺に触るなっ…ほっといてくれ」 腕を払い退けると、また直ぐに腕を捕まれる。 「…嫌だ。そんな顔してる奴ほっとけるわけ無いだろうが!」 、
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