第八章

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直哉-side 神社を後にした俺は、行く当ても無くブラブラと街を歩いていた。 しかし、今日は本当に寒い。 この時期に外でするもんじゃね~な。まぁ、かと言って家には絶対上げたくねぇし…ホテル代もあの女持って無かったし。 適当に喫茶店に入ろうかと思っていたら 、見知った後ろ姿を発見しつい声をかけてしまった。 「あれ?…椿姉ちゃん?」 クルリと長い髪を靡かせ振り向いたのは、やっぱり要の姉ちゃんだった。 「あら~、直哉じゃない」 笑っているように見えるが、その瞳はあんまり笑っていない気が。 …え、何?俺何かした? いや、最近は俺に出会うと結構冷たいような気がする。 「何してるの?こんな所で」 「あぁ、うん。ちょっと…椿姉ちゃんは?」 「…ふ~ん?私は仕事でね」 目線の先に目を向ければ、勤めている化粧品店があった。 なる程。それでか。 「…」 「…」 ナニコレ。すっげぇ気まずい。 熱くもないのに、汗が出てきてしまいそうだ。 「…じゃあ行くわね。家で待ってる子達が居るから」 踵を返し去ろうとする姉ちゃん。 …待ってる子達? 動物でも飼い始めたのだろか? 「あ、ちょっと待って」 咄嗟に腕を掴んでしまった。 、
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