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直哉-side
神社を後にした俺は、行く当ても無くブラブラと街を歩いていた。
しかし、今日は本当に寒い。
この時期に外でするもんじゃね~な。まぁ、かと言って家には絶対上げたくねぇし…ホテル代もあの女持って無かったし。
適当に喫茶店に入ろうかと思っていたら
、見知った後ろ姿を発見しつい声をかけてしまった。
「あれ?…椿姉ちゃん?」
クルリと長い髪を靡かせ振り向いたのは、やっぱり要の姉ちゃんだった。
「あら~、直哉じゃない」
笑っているように見えるが、その瞳はあんまり笑っていない気が。
…え、何?俺何かした?
いや、最近は俺に出会うと結構冷たいような気がする。
「何してるの?こんな所で」
「あぁ、うん。ちょっと…椿姉ちゃんは?」
「…ふ~ん?私は仕事でね」
目線の先に目を向ければ、勤めている化粧品店があった。
なる程。それでか。
「…」
「…」
ナニコレ。すっげぇ気まずい。
熱くもないのに、汗が出てきてしまいそうだ。
「…じゃあ行くわね。家で待ってる子達が居るから」
踵を返し去ろうとする姉ちゃん。
…待ってる子達?
動物でも飼い始めたのだろか?
「あ、ちょっと待って」
咄嗟に腕を掴んでしまった。
、
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