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「まぁ…あんたの私生活までとやかく言う権利なんて無いわ。私には」
でも。と続ける姉ちゃんの目があまりにも冷たくて背筋が凍る。
「どんな理由にしろ、あの子を傷付ける奴は許さないわ。あんたは要に近付く権利なんて無い。」
確かにそうだ。
連絡が取れなくて自暴自棄になり、要を忘れようと女を抱いてきた。
でも残ったのは虚しさだけ。
この事を知ったら要が傷付く事も分かっていた。
もしかしたら既に俺のことは諦め付いて、違う奴と付き合ってるかもしれないな。
…アノ日要を連れ去った奴と。
「うん…。でも俺簡単にあいつの事忘れられない」
だからと言って簡単にはやらない。
もし、そうだったとしたら奪うだけだ。俺には要しか居ないから。
「椿姉ちゃんからしたら都合良すぎだと思うかも知れない。だけど…もう二度としない。誓って良い。」
「…」
「あいつを傷付ける様なことは一切しない。姉ちゃんを失望させたりしない。だから…もう一度チャンスを下さい」
本当に自分勝手な言い分だ。
握りしめた手に汗が溜まる。
でも…これが今の自分の素直気持ちだ。絶対裏切らない。
例え駄目だと言われても構わない。どんな手を使っても手に入れてみせる。
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