第八章

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お姉様-side 睨み付けるような決意の宿る瞳。 なんだかムカツクわね。 まぁ、本気な事は確認出来たし。面白くなってきた。 それに これ以上すると虐め過ぎちゃうかもしれない。ニヤケてくる顔を見られないように珈琲を口に含む。 「そう…分かった。見届けるわ。まぁ応援するかは別として、ね」 要が帰って来てる事を教えてあげようかな?と思ったけど 今日は邪魔されたくないし。尚吾君も来てる事だしね。 「…面白くなってきた」 「………え?今なんて?」 「別に~?さてと。じゃあ私今度こそ帰るわよ!」 危ない危ない。つい本音が漏れてた。 もぉ、要本当モテモテね!見てる分には三角関係って凄く面白い。 自分だったら相手潰しそうだけど。 誤魔化しつつ店を出ると『あのさ、椿姉ちゃん』とまた引き止められる。 「要が俺を好きだって…何時から知ってた?」 「ん~、昔から?」 「俺は?」 「…フフッ。あんたも昔からよ」 自分の気持ちを知りつつ、相手から逃げ出した要。 自分の気持ちを知りつつ、その感情を認めず蓋をした直哉。 兄弟のように育った二人だから尚更、変化を恐れたのだろう。 でも1人は動き出した。 これから何かしら変わるはず。 良くも、悪くもね。 、
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