第八章

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直哉-side やっぱり適わないなぁ。 自分でも隠していた気持ちをこの人は見抜いていた。 「今日話せて良かった。ありがとう姉ちゃん。またね」 「またね。帰り気をつけるのよ?」 それは俺の台詞だ。 苦笑いを浮かべ、去っていく後ろ姿を見送り携帯を取り出す。 …まずは身辺整理からだな。 電話帳を開き軽く操作していく。 そして 【削除しました】 残ったのはダチと家族の数十人のみ。 …俺、どんだけ女のアドレスしかなかったんだよ。 改めて自分の素行の悪さに小さく溜め息をつき、ポケットに携帯を戻す。 もっと早くにするべきだった。 すげぇスッキリした。 久々に少しだけ軽く感じる身体。 …たまには早く帰るか。 【要を今日駅で見かけた!しかも、見たこと無い奴と一緒だったぜ】 なんてメールが来てることに気付かず、帰路についていた。 、
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