第八章

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要-side 『直哉を忘れさせて』そう尚吾に懇願する。もう無理だ。 溢れる涙は止まらない。 忘れたい…アノ光景も。積もるばかりのこの感情も。 全部…全部。 「直哉を、忘れさせてくれ」 自分から尚吾に首に腕を回しキスをする。そして浮かんでは消えていく直哉の笑顔。 「ッッ!忘れさせてやるよ」 荒々しいキス。呼吸すら奪うように角度を変えては何度もキスを重ねる。 「はっ、ぁ、んぅ」 咥内を犯すかのように動き回り、舌を吸ったり舐めたりする。 口の端からは、どちらのかすら分からない涎がダラシナく垂れる。 そして、離れたお互いの口と口を繋ぐ銀色の糸。 それを舐めとる尚吾が凄くエロい。 荒くなった呼吸を整えていると、空に浮く感覚。 そして、直ぐに理解する。 「ちょっ、何で姫抱き!?離せよ!」 「良いから。ジッとして」 まさか姫抱きをされる日が来るなんて思いもしなかった。 羞恥から尚吾の頬をつねると 優しく微笑み、数歩先にあるベットに優しく俺を寝かせる。 そして、俺の顔の横に肘をつくと一気に縮まる距離。 鼻と鼻が触れそうな程の距離で、真剣な瞳が俺だけを見つめる。 、
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